モノクロタイム

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大学でやるデザイン批評のテクニック

こんにちは,れいじです.

これまでこの本の感想を何本かの記事に分けて書いてました.

reiji1020.hatenablog.com

reiji1020.hatenablog.com

本の内容としてはデザイナー(≒クリエーター)のアイデアをより洗練させるためのTipsが詰まっています.

Tipsは結構業務寄りな感じです.現場でやったら効果が高そう.

ところで,私は現在大学院生なので学部生のゼミの様子を見たり相談に乗ったりすることがあります.

この本を読んで(少しではありますが)批評・アドバイスのやり方を変えたのでまとめてみます.

1. 考えてきたアイデアについて「なぜこういうデザインにしたのか(文章にしたのか)」を聞く

先輩であるという立場上何らかの指摘を求められる事が多いのですが,いきなり指摘から入るのをやめました.

ゼミ生は皆優秀で,所謂頭カラッポ系大学生ではないので作ってきたものに対して何らかの意図をもって作ってきています.まずはそこを聞いておこうと考えるようになりました.本当にいいアイデアは主観的な指摘では生まれないと思っているからです.当人たちの考えを聞いたうえで,更に作ってきたものを洗練させるための要素を与えることが批評をする側の役割ではないでしょうか.

2. 指摘だけで終了せずに会話をする

これまで指摘を求められたときは,気になった部分を一言,二言言って終了していました.

いやまぁ,これで役割は果たしているのですが,私のコメントに学部生が納得しているのかどうかといわれるとよくわからない部分もありまして.

大学に限らず部活でも「先生・先輩の言う事だから聞いておこう」というのはあると思うのですが,それが本当に適切であるか,理に適っているのかは一方的なコメントではわからない部分でもあります.なので,「例えば○○を××に変えたら,そのサービスを使ってくれる人が△△な面で良いと感じると思うんだけど,もっと良い方法あるかな?」といったように,個人の考えを聞くことにしました.1で取り上げた内容とも若干似ているのですが,主観的な意見だけでは本当に良いデザインは生まれないです.実質,会話をすることによって色んな思考の傾向を聞くことができて批評云々抜きにしても楽しいです.

3. 批評の場を離れたらプライベートな話をしてコミュニケーションをとる

批評の場を経るとどうしても落ち込んだり納得できないことがあったりして気分が沈むことがあるのですが,ゼミの時間が終わったらその空気を引っ張らないようにしました.

教育者の立場だと,どうしても学生を成長させなければという使命感ですれ違いざまにでも批評を始めたりコメントを言ったりしてしまいがちなんですが,私は教育者でもなんでもないので違う態度を取っています.「きみの為を思って言ってるんだよ」「あまり落ち込まなくても大丈夫だよ」という励ましをするわけでもなく,卒研や授業内容に関係のある話を一切しないようにしています.(勿論,学部生側からそういった内容で話しかけられたら対応していますよ!)

アニメを見たり,絵に興味があったり,写真に興味があったりと結構個性豊かなので,「昨日のアニメは最高やったなー」とか「そういえばこの前言ってた○○どうなった?いい感じにできてるん?」とか適当に話題を振ることもあれば,写真や絵などについて教えてもらうこともあります.

学生のモチベーション維持やゼミでの過ごしやすさには,いい意味での「年上じゃない」感は必要だと思っています.ボスに聞く前に先輩に聞けなんてよく言われますが,その先輩が話しづらいんじゃ意味がないし,そもそも研究内容しか共通の話題がないなんて寂しいじゃないですか笑

というのは置いておいて,卒研の時期が近くなってくると,プログラムが書けない・うまくいかない・でも他の人は着々と進んでいる…等々,技術面やメンタル面で様々な問題が出てきます.そういった内容はなかなか同級生,とりわけ一緒に卒研を頑張っている友人には話辛いものです.そういった場面でガス抜き・技術的なアドバイスをしてあげられるように,普段から話しかけやすい距離感を作っているのです.相談者の選択肢として研究室のボスも出てくるかもしれませんが,メンタル面での相談ってし辛いですよね.私が卒研をやっているときは話す先輩も身近におらず色々苦労しました.特に技術面というよりはガス抜き相手としての先輩が欲しかったと思っていたので,雑談してもいい人ポジにつけるように種まきしています.

まとめ

一行で纏めると,たくさんしゃべって後輩との信頼関係を築いていこうなという話でした.

院生は教育者ではないので,教授陣と違って自由に動き回れる所がいいところだと思っています.その自由度を生かして,お互いのタメになる批評・アドバイスをしていきたいと思っています.

ではでは~